「第78回全国レクリエーション大会2024とちぎ」が、9月6日から3日間に渡り宇都宮で開催され、日本GWT協会が担当したワークショップセッションは、8日㈰10時から50分間34名の参加者とGWTを体験しました。
〖ねらいとIce break〗
開始後5分間のねらいとice breakで、デモンストレーションをしている人と一体になり、ワクワク感が止まらず、自然と全員が声を揃え「楽しむぞ!」「早く自分もやりたい!」という気持ちを引き出してから、本ワーク担当のアドバイザーへスムーズなバトンタッチ。
今回導入したGWT財は、夏の学習会の事前課題として公募した中から、Sさんが考えられた『 いそいでやってクレーン! 』を採用し、全国レク大会用のねらい“VUCAからSCSCへのコツを探る”に合わせてアレンジした新財です。
〖ルール説明〗
~〈スタートを担当したアドバイザーから2人目に交代〉
グループ4人が配付された3種類の輪ゴムを使い分けて、参加者自身が提供した‘運ぶもの’(1人2点)をつかみ、吊り下げてゴールの紙箱に入れる。
このワークの説明をデモンストレーションにしたところ、ゴムで挟んで移動する様子を見ながら「おー! (そういうことか)」と声があがったり、モデルのデモクレーンが無事にゴールへ運び終えると拍手が湧いたりして、早くも盛り上がっていました。
参加者はどのグループも早く自分達でやりたくてウズウズ。中には待ちきれずに説明を聞くのもそこそこに作戦会議を始めて、リハーサルまでしてしまっているグループもあるほどでした。
〖ワーク体験・クレーン作業の様子〗
笛の合図で一斉にスタート。クレーンゲームはどのグループも夢中で取り組み、あちこちで悲鳴や歓声が上がり、クレーンでの運び方やゴムの選び方をあれこれ意見を出し合う声が響き、失敗しても笑顔と笑い声、うまく運べたら大喜び。
大いに盛り上がった賑やかな一時でした。お一人、左手が不自由な参加者がいらっしゃいましたが全く問題はありませんでした。
〖気づきの交換~個人記入➡グループでの分かち合い➡全体share〗
~〈エンディングはスタートを担当したアドバイザーへ交代〉
夢中になりすぎてふりかえりシートが配られていることにも気づかない人がいたほどアドレナリンの高い余韻が残る状態でしたが、ふりかえりの個人記入が書けないとか話し合いが進まない様子のグループは一つもなく、どのグループも活気が溢れ、全員が発言して活発な意見交換がされていました。
- 「うちのグループが1番早かったと思う。課題をよく読んだところゴールの箱の位置を動かしてはいけないということは書いてなかったので近くに移動した。箱の大きさを見て出すもの(運ぶ物)の大きさを考えた。」(注:このグループは説明を聞かずに先走ったグループなので、どちらの行為もルール違反)
- 「自分の出したものが運びにくいものだったとわかり、‘私こんなの出しちゃった~’と後悔していたら、他のメンバーが「これ大丈夫! !」と言ってくれて安心した。」
- 「テーブルとテーブルの隙間に物を挟んでゴムで持ち上げよう! 等、メンバーの工夫やアドバイスや温かい声掛けが嬉しかった。」等、不安定なクレーンを安定させて確実に運ぶ単純なプロセスから、多くの気づきを分かち合った。
〖一般化・日常化〗
「アドバイザーから一人ひとつは書き出して」と指示があったことで、全員が日常化に向けて〝パリオリンピック選手宣誓〟のように決意表明が発表されていました。
〖財について〗
この財のもとになっているのは、『輪ゴムde クレーン』というレクリエーションゲームです。
そこからアレンジをしてGWT財に仕上げた作者は、「レク関係者にはベタなゲーム」(長野学習会にて)との指摘から、どのような反応でクレーン作業が進んでいくのか不安な気持ちと怖いもの見たさで見守ったと振り返っています。
ところが…このゲーム自体を知っている人が少なく、夏の学習会の時と変わらず、もの凄く盛り上がりをみせていた現状や、後ろでみんなの様子を見ていた主催者側のベテランスタッフの方からも「こんな面白いゲームは誰が考えられたのですか?」と聞かれたことなどから、認知度が低いことが判明したので最初から決めつけないことが大切だということを学んだと言います。
兎に角、このようなゲーム系はレクリエーション関係者の大好物といった印象で、対象者に合わせた‘食いつきの良さ’が財提供には必須で、今回のようにねらいにも参加者にもマッチングしたのが成功の秘訣であり、課題が簡単すぎず、難しすぎず、何回でも試行錯誤できることで、気づきや学びが得られることを再確認しました。
因みに、ワークの進め方を伝える前に、参加者から出していただいた運ぶ物の実例。
筆記用具・財布・袋菓子・ハンドクリーム・パスケース・ペンケース・折りたたみ傘・ヘッドフォン・帽子・カード・など
〖ファシリテーターとしてのふりかえり〗
- 全国レクリエーション大会では、これまで何年間も、こうしたレクゲームをアレンジしながら、レクの世界にGWT化を浸透する為の実体験を実験し続けてきた。このように、レクとGWTの対比をアドバイザーがコメントをしながら進行していくことで、その違いが明確になり分かりやすく、直ぐに日常化に繋げられた。
- レクに取り組む方々は、楽しむ! 楽しもう! という気持ちが人一倍旺盛な人が多い。それ故、暴走したり、聞く耳を持たなかったりする人へのファシリテーターの関わり方が重要。
- ルール違反に対する介入の仕方やそれをポジティブに全体の気づきにしていくトレーニングが大切。
- 同時に勝ち負け(勝つことを優先に考え勝つための戦略のみに必死になる)を大事にする(目的にする)
価値観が多い中、GWTとしての意識づけを明確に伝える。 - レク指導者は、自分の気持ちに気づく、他の人の言動から気づくという視点で考える習慣が乏しい人が
多いように感じたが、それは体験不足からくるもので、今後益々GWTを提供していく必要性を感じる。 - ルール説明は、全体の様子を把握して「押さえどころを簡潔にテンポよく」話すことが大切である。
- やり方の説明として、デモンストレーションはとても有効である。
- 一業務二人体制でファシリテーションをする場合、わざとらしいバトンタッチを避けスムーズにスライドすること。
- レクやGWTアドバイザー関係者にありがちな‘喋り過ぎ・目立ち過ぎ・主役になり過ぎ’等、自慢話やオレオレ傾向に厳重注意。あくまでも主体は参加者であることを忘れない。
- 大会全体のキャッチフレーズ『いちごのおもてなし あなたの笑顔 つなごう明日へ』をセッションの
ねらいに繋げ、研究フォーラムに開示した概要と提供する内容が、ズレないようにキチンと合わせること。 - 32の分科会の中から、このGWTを選んでくださった参加者の期待を裏切らない。
〖財準備&当日までのプロセス〗
教材・備品等、財の準備は、大変時間も手数もかかりましたが徹底的にすることが大切です。当日のグルーピングは、自由席によるバラつきや遅刻や早退等、想定外のことが起こるのが必須です。
その度に、進行が滞ったり間が空いてしまったりするのではなく、どんなことが起きても慌てず柔軟に手配をしておく。その為のリハーサルや財の不具合の実験など、下準備が万全であれば当日は安心感が増します。
Workの準備もSCSCで・・・!
来年開催される 『 第79回全国レクリエーション大会 』は、名古屋です。
あなたも新財の創案を引っ提げてGWTアドバイザーとしてご一緒しませんか?
来年開催される 『 第79回全国レクリエーション大会 』は、名古屋です。
あなたも新財の創案を引っ提げてGWTアドバイザーとしてご一緒しませんか?
(曽我・渡邉・三好)
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