令和7年9月13日(土)・14日(日)京都橘大学を会場に、日本人間関係学会第33回全国大会が開催されました。
大会テーマは「新たな人間関係の構築に向けて~人間の尊厳を問い直す~」です。
9月13日(土)大会一日目
学会初日のプログラムは、
- 基調講演 山﨑将文 大会実行委員長『人間と動物の新たな関係』
- 実行委員会企画①黒田幸也 第19代装束士による『装束文化の継承』
- 実行委員会企画②三好良子 人間関係士『人間力&関係力を磨くGWT〜人は人と関わることで変わる〜』
と続きました。

三好理事長が提供したワークは『プチ-ハッピー』と『ちぎり絵』。
『プチハッピー』
それまで教室形式の講演で無表情だった参加者が、三好スーパーバイザーのデモンストレーションを交えた説明で表情が様変わりしました。

会場は握手に笑顔、おしゃべりにハイタッチ!
終わりの掛け声も聞こえない様子で対面交流が続きました。
“ふりかえり”では、
- 笑顔で近づいてきてくれる
- 自然なコミュニケーションができた
- 幸せを実感することができた
- 最初は何があるかと考えたが、相手が変わるたび次のプチハッピーを話していた
- 話そうとしていたこととは違う話題までを言葉にしていた
- 日常の身近なところにハッピーはあることに気づいた
などが開示されました。
まとめに『気感考学のすすめ』の資料を提示し、
「人は自分の器以上には気づけない、分かち合い(シェア)によって多くの気づきを得ることができる。必要なのは人と人との“気づきの交換”です」
とまとめられました。
『ちぎり絵』
三好スーパーバイザーが、「このワークにはテーマと制限時間があります」とルールを伝えると、グループでは紙を持たされ緊張の様子でスタート合図を待つリーダー、無言で見つめるメンバーがいました。



「よーぃスタート!」の合図でちぎり絵のリレーが始まります。
5人目となるリーダーまで戻って終了。完成?した「ちぎり絵」を掲げながら、それぞれのグループでは会話が止みません。
続いて二つ目のワークはテーマとリーダーを変えて再挑戦しました。


ワーク後の“ふりかえり”では
- 情報共有が重要だ
- ノンバーバル・ワークの思い込みに影響された
- 質問はないかと確認されたが、その時は分かったつもりでいた
- 始めてみないと分からないことは分からない
終了後のアドバイザーコメントでは、
「最初に紙を持ったリーダーが感じたプレッシャーについて、リーダーもメンバーであること、グループ内で他のメンバーがフォロアーシップを発揮してリーダーを支援する関係があればグループをより良い成長に向けられます。
提供した資料にある「関係力」とは「支配力」ではないこと、周囲の人とのパートナーシップを育てる「関係力」を鍛えよう。
皆が明日行きたくなる職場や学校づくりに貢献しませんか。その為に、あなたは明日から何をしますか?」
と具体的な日常化に繋ぐ姿勢・態度までを問うていました。



初日最後のプログラムは、ラウンドテーブルとして3つのセッションが用意されました。
テーマはそれぞれ
- 「積極的に治さない心理療法~瞑想箱庭療法~」
- 「ブェーダから学ぶ人間の尊厳と共生~内なる自己を育てる~」
- 「保育現場における『こども家庭ソーシャルワーカー』の検討~保育士を対象としたアンケート調査を参考に~」
が開かれました。
9月14日(日)大会二日目
午前中は、4分野13件の口頭発表が行われました。
発表内容は、保育・教育・医療・福祉・宗教・歴史背景・障害等、テーマから捉えるだけでも人間関係その領域は広く多岐にわたり、人のいるところ全てに人間関係にまつわる社会課題解決に向けた関心は根深いと感じました。



午後に入り、参加者は再び一堂に会しました。
実行委員会企画③特別講演 松原仁氏 「人間は進歩したAIとどのような関係になるか」
「コンピューターが登場して、3度目のブームを迎えた現代、今度は廃れることなく共存していくことになるだろう」
聴講して思うことは、急速にAI導入が進む一方で、社会全体が受け入れるようになるまでには様々な格差と障害が生じ、共存するには、(受け入れない選択をする人も生じる?) 一定の時間が必要だろうなという感想を持った。
大会テーマ「新たな人間関係の構築に向けて~人間の尊厳を問い直す~」
最終プログラム:目黒達哉・三好良子・早坂三郎 3氏による シンポジウム
最初のシンポジストとなった三好理事長は、「新」たな人間関係構築を探求するために、これまでの「旧」をふり返ってみましょう」と語り始めました。
「自分ファーストの私たち、うまく進まない社会をパンデミックのせいにしていないでしょうか?『自分がこうなってしまったのは○○のせいだ』と言っていませんか。
今大会テーマは“新たな人間関係構築に向けて”ですから、今からは誰かや何かのせいにする前に、まずは自分のことを振り返ってみませんか。
自己理解のために疑似体験でも、体験学習Laboratoryをやってみましょう。」
と20分の持ち時間の中でさえワークが始まりました。
GWTを通して、とても身近な存在でも正しく認識できていないし、価値を過小評価していることが体験してみて初めて気づき、体験こそが“ことの本質”を知り、気づきに繋がるという学びができました。
「体験格差の中だからからこそLaboratory method体験学習をしましょう!」というメッセージが、参加者のGWTへの関心を高めたことは間違いないと感じました。
- シンポジスト ②目黒達哉 氏「今、改めて聴くことの大切さを問い直す」
- シンポジスト ③早坂三郎 氏「生きがいと利他」
お二人とも先行研究を例に挙げ、PowerPointによるスクリーンと手元の資料でお話をされました。
テーマに沿い、新たな人間関係構築には対面での傾聴が必要且つ重要であるとのまとめに、スクリーンと資料に視線を向けて聴講していた姿勢を反省して終えることになりました。
今回も、色々な気づきがありました。どうやら、体験してみないと分からないことはまだまだ続きそうです。



たくさんの気づきの土産をもって帰路につきました。
人間関係学会に誘ってくださった大会副実行委員長 佐々木かなこ氏(GWT会員)に感謝いたします。
ありがとうございました。
ペンネーム わんきぃ
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